凛とした強さをそなえたサウンドと、ピュアで透明な歌声。そしてそこには芯のあるポップセンスが貫かれている。緑黄色社会はコンテンポラリーなサウンドの世界観と大衆性を共に装備した4人組バンドだ。愛知県の高校の軽音楽部で結成、初期から長屋晴子のボーカルを中心にしたサウンドを追求してきた。転機は2013年、10代のバンドをフックアップする音楽フェスティバルで準グランプリを獲得したことで、彼らはより意欲的な活動にまい進する。2017年には初のミニアルバム『Nice To Meet You??』をリリース、その好評を受けて翌年メジャーデビューを果たすこととなった。以降はテレビドラマやアニメなどのタイアップ曲を手掛けながらサウンドに磨きをかけ、爽快な風が吹き抜けるような「sabotage」、疾走感あふれる「Shout Baby」、そしてスマッシュヒットとなった「Mela!」と、作を追うごとに注目度が上昇。そうしたバンドの実力は、ポップかつロックなアルバム『SINGALONG』（2020年）でも余すことなく発揮されている。クリアに響く長屋の歌声そのままに、真っすぐに突き進む佇まいも魅力的なバンドである。