超絶的なスキルを駆使しながら、自作曲の音楽性を高め続けている唯一無二のビートボクサーによるサードアルバム。これまでの作品と同様に、作詞作曲からレコーディング、ジャケットデザインまですべてを自身で手掛けた本作は、活動拠点を地元札幌から京都に移してから初の作品となる。香水が香るように、シンガーとして甘い響きを放ちながら、ビートボックスの技を織り交ぜたスローテンポの「Fragrance」や、多彩なリズムパターンを織り交ぜたダンストラック「Silver」、その技を惜しみなく見せるミュージックビデオで人気の「You're Gone」など、ビートボックスというミニマムな表現方法から生み出される楽曲の豊かな表現世界にただただ驚かされる。そして、ビートボクサーであると同時に、シンガーであり、トラックメイカー、コンポーザーでもある多面的な音楽家として、ビートボックスとポップミュージックの可能性を同時に追求する姿勢は、ジャンルを超えた幅広いリスナーに感動をもたらすだろう。