カフェ・ブリュ

カフェ・ブリュ

勢いよくピアノが跳ねるジャズインストで幕開ける本作は、その後もソウルにボサノヴァ、ニューウェーブにカリプソ、さらにはラップと次々に曲調を変化させていくクロスオーバー作だ。デュオの中心人物であるポール・ウェラーは、かつて思春期の青い情熱をみなぎらせるUKパンクバンド、ザ・ジャムのリードシンガーとして国民的人気を誇っていた。それを思えば、ザ・ジャム解散後に結成したザ・スタイル・カウンシルの最初のアルバムである本作の洗練されたサウンドに、多くのファンが驚かされたのも当然かもしれない。しかし「My Ever Changing Moods」で“僕の移り気な気分”について歌ったように、ウェラーは変化を恐れずに新たな領域を開拓していった。幾度かインストをはさむアルバム構成は、パリの街角を舞台にした映画のサウンドトラックのような趣をもたらしている。また、モッズにフレンチシックなムードを添えた本作での彼らのスタイルは、音楽とファッションの両面から当時の日本のサブカルチャーにも多大な影響を与えた。

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