Agustín Barrios: El Bohemio

Agustín Barrios: El Bohemio

1885年パラグアイ生まれのアグスティン・バリオスは、史上最も優れたクラシックギタリストの一人であり、かつギター音楽の優れた作曲家だった。そのバリオスをヒーローとあがめるのが、1994年トゥールーズ生まれのギタリスト、ティボー・ガルシアだ。彼は本作『El Bohemio』の多くの部分をバリオスに捧げている。アルバムの冒頭を飾る「Un sueño en la floresta(森に夢みる)」では、ガルシアの絶妙なタッチが生み出す夢見心地の音色とあふれる詩情、そして、速いトレモロの鮮やかなアーティキュレーションが印象に残る。「Danza paraguaya No.1」は、バリオスに大きな影響を与えたパラグアイの民族音楽のエッセンスを見事に捉えたパフォーマンスとなっている。そして、三つの楽章から成る組曲『La Catedral(大聖堂)』の第1楽章「Preludio saudade」では、ガルシアのうっとりするほど繊細な演奏を楽しめる。また彼は、バリオスがギターのためにトランスクリプトしたベートーヴェン、シューマン、ショパンの名曲を取り上げることで、このパラグアイの奇才が生み出した楽曲の背景にあるロマン派音楽の本質にも迫っている。

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