ZARDが2001年にリリースした9作目のアルバムに全曲リアレンジを施したデビュー30周年記念作品。2000年代当初のJ-PopシーンはR&Bやヒップホップが主流になりつつあった。そこでZARDも新たな風を取り入れるべく、ヒップホップのグルーヴを導入し、ラップに挑戦するなど、さまざまな試みに挑戦したのがオリジナル版『時間の翼』だ。それから20年の時が過ぎ、プロデューサーの長戸大幸がこの作品を本来のZARDサウンドでリアレンジすることを決める。こうして彼の全面プロデュースの下で新たな命が吹き込まれた今作は、ギターを中心とした重厚なバンドサウンドがメインとなり、生楽器の質感を重視したアレンジと立体感のあるミックスによって、坂井泉水の描くみずみずしい世界に鮮やかな色が添えられている。“時間の翼”に乗り、色あせることのないZARDの歌と再び出会えるドラマチックなアニバーサリー作品だ。