理由なき反抗

理由なき反抗

フリーター、あるいはニートと呼ばれる若い世代が増え、未来に対する不透明な希望と不安感が入り混じるゼロ年代において、このバンドの歌は強いリアリティを放っている。大学のサークルでスタートし、銀杏BOYZの峯田和伸に渡したデモテープがきっかけとなってデビューを果たしたおとぎ話。この2ndでは、一体感を高めたバンドがその成長した姿をしっかりと見せている。音楽性としては基本的に90年代以降のグランジ、あるいはオルタナティヴ・ロックの匂いが強い。また、メンバー全員が好きだというビートルズからの影響も隠さぬメロディの親しみやすさが非常に魅力的だ。その歌の持ち味は、愛というより恋の歌で、大人にならなくてはいけないのになりきれない自分に逡巡する思い。そうした泣き笑いだらけのモラトリアムな青春群像は、まさに銀杏BOYZの世界と通じるところが大きい。”今”をテーマに掲げたという本作は、ヴォーカルの有馬和樹の27歳時点での感情そのものなのだろう。そんな中での最終曲 ”とびらをあける” はアコースティック・ギターの弾き語りで命を歌った曲で、ほのかな苦みがせつない味わいを残す。

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