恋を知っているすべてのあなたへ

恋を知っているすべてのあなたへ

「10年間ずっと恋愛の歌を歌ってきたので、その集大成となる作品にしようと思いました」と、SHISHAMOの宮崎朝子(G/Vo)はコンセプトアルバム『恋を知っているすべてのあなたへ』について、Apple Musicに語る。2023年にデビュー10周年を迎えるSHISHAMO。この10年の間に彼女たちは、恋にまつわる多様な感情を歌ってきた。本作はその中から“喜び”をテーマにした15曲、“痛み”をテーマにした15曲を収録している。「基本的に“喜び”の部分でSHISHAMOを知ってくれた人が多いと思うんですけど、そこから“痛み”の部分で本当にはまってくれている人が多いなと感じていて。SHISHAMOの持つ恋愛の曲の良さをどちらもちゃんと見せていきたいなと思い、この形にしました」 選曲するにあたって、「“痛み”が“喜び”の4倍くらいあることに気付いた。だから“痛み”の選曲は大変でした」と宮崎朝子は言う。そして自ら手掛けた10年分の楽曲を振り返り、その特色をこう説明する。「背伸びをしていないな、と感じます。演奏は少しずつ背伸びをすることでレベルアップしてきた部分があるけど、歌詞には難しい言葉を使ったりせず、その時その時の感情を常に分かりやすく伝えることにこだわってきました。恋愛の仕方は年を重ねると自然と変わっていくから、そういう変化が現れているかなと思います」 また、収録された曲は新たにドルビーアトモスによる空間オーディオで楽しむことができる。「ギタリスト目線でのフレーズの良さとか、そういう部分がより聴こえるようになったと思います。弾いている側としてはうれしいです」。そう語る彼女に以下、アルバムの中からいくつかの曲を解説してもらおう。 熱帯夜 SHISHAMOの転機となった曲です。私たちは夏のシングルを大事にしていて、その最初が「君と夏フェス」でした。それで私たちを知ってくれた方が多くて、自分たちに求められるものもなんとなく見えてきた中で「熱帯夜」を作りました。夏が始まる時にベランダに出て感じる空気感を出したくて、3人のグルーヴ感に改めてこだわり、音作りにすごく時間がかかった記憶があります。この曲を受け入れてもらえるのかすごく不安だったんですが、勇気をもってリリースしたら好きになってくれた方がたくさんいて、ここから自分たちの可能性が大きく広がりました。 僕に彼女ができたんだ 私がギターを始めたのは、高校時代に軽音楽部に入ってSHISHAMOを始めた時。この曲を作ったのは18歳くらいで、イントロのカッティングをさらっと自然に作りました。そうしたら周りから「あのカッティングすごくいいね」「ギターがめちゃくちゃカッコいいね」と言ってもらうことが増えて、当時の私はギターの知識があんまりなかったので「これをカッティングって言うんだ」とか思いつつ(笑)、ありがたいなと思っていました。 恋する (10YEARS THANK YOU) SHISHAMOの中で本当に大事な曲です。初めて作ったアルバム『SHISHAMO』の最後に入っている曲で、大事にしてくれてる方がめちゃくちゃ多くて、ライブでもいつもいいタイミングで演奏していました。それを10年間ずっと続けていたら、知らない間にすごく大事な曲に育ってた。この10年の成長を一番伝えやすいのがこの曲じゃないかなと思うし、今のSHISHAMOの「恋する」が録れたんじゃないかなと思っています。 忘れてやるもんか 曲順を考える上では、喜び/痛み共に、1曲目にその感情を一番分かりやすく表現した曲にしました。この曲はズバ抜けて痛いですね(笑)。怒りをテーマに、あまりはっきり言えないようなことを歌詞に書いているので、これを聴いて少しでもすっきりしてくれる人がいたらいいなと思っています。 あの娘の城 ザワっとくる曲です。この主人公のザワザワ感は、しっとりした曲調では全然伝わらなくて、テンポを上げることによって、より息苦しくなっていく。SHISHAMOは怖い曲が多いですね(笑)。

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