ハッピーエンドへの期待は

ハッピーエンドへの期待は

バンドの魅力が詰まった会心のアルバム。メジャー初となるこのフルアルバムには、タイアップに起用された楽曲が数多く収録され、どれもがポップで親しみやすいメロディを持っている。一方で楽曲の多層的な構成も本作の聴きどころであり、人生や青春、愛や夢、あるいは孤独だったりと、歌の根底にあるシリアスなテーマ性には、はっとり(G/Vo)というソングライターの深みがのぞく。映画主題歌の「ハッピーエンドへの期待は」は、生きることや大人になることについて歌ったタイトル曲で、このほろ苦さに感動する人は多いのではないだろうか。また、はっとりがDISH//に提供した「僕らが強く。」のセルフカバーも強いメッセージが込められた一曲。さらに全員が曲作りに関わっているのもこのバンドの特徴で、中でも田辺由明(G)が作曲した「TONTTU」は、サウナでの至福の時間を効果音や台詞を入れて描くユニークなロックナンバーだ。ひょうひょうとしたイメージのマカロニえんぴつだが、作品作りでは隙を見せることなく、自分たちの個性を最高の形で結実させた。

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